CSSでは、複数のセレクタによって同じプロパティが宣言される場合、優先順序が決まります。これは「CSS スタイルのカascade(カスケード)」と呼ばれています。!importantが使用されたプロパティは、通常のプロパティよりも優先されます。しかし、複数のセレクタによって、!importantが宣言された場合の優先順位について説明します。
- インラインスタイル > 内部スタイルシート > 外部スタイルシート
インラインスタイルは、HTMLの要素に直接記述されたスタイルを指し、内部スタイルシートは、HTMLのhead要素内に記述されたスタイルシートを、外部スタイルシートは外部ファイルとして読み込まれるスタイルシートを指します。インラインスタイルが最優先され、次いで内部スタイルシート、最後に外部スタイルシートです。
- スタイル宣言の順番
もし、同じセレクタに対して、複数のスタイル宣言がある場合、後に宣言されたスタイルが優先されます。!importantが複数宣言されている場合、後に宣言されたものが優先されます。
- ID、クラス、要素名
特定のセレクタに対して、上記のセレクタが指定されている場合、ID > クラス > 要素名 の順に優先されます。
例:
/* IDが優先 */
#example {
color: red !important;
}
/* クラスが優先 */
.example {
color: blue !important;
}
/* 要素名が優先 */
div {
color: green !important;
}
これらの順番でスタイルが適用されるため、最終的には、#example > .example > div の順で、該当する要素に対して、色がどのように適用されるかが決まります。このように、「!important」を使用した場合も、カスケードの決まりに従って優先順位が決定されます。
しかしながら、優先順位を明確にするために、「!important」を使用することは非推奨であり、適切なセレクタを使用し、スタイルの適用順序を理解し、調整することで、「!important」を使用することなく、正確なスタイルを適用することができる。
もし、!importantを使用しなければならない場合は、できるだけ最小限に使用し、カスケードやセレクタの適用順序を理解し、適切な方法で使用することが重要です。